東京から南南西へ約160km、大平洋に浮かぶ南北約11km、東西約4kmの細長いひょうたんのような形の島で、東京の浜松町・竹芝桟橋から東海汽船で約10時間、調布飛行場からセスナ機で45分です。
 人口は約2600人。本村と若郷という2つの集落と、お隣の式根島(人口約600人)を合わせて新島村というひとつの村になっています。
 
 特産品はクサヤと抗火石。強烈な匂いで有名なクサヤは今では大島や八丈島でも作られていますが、本元は新島。塩水に魚を何度も浸け込むことにより、特殊な菌で醗酵・熟成されてできた浸け汁に魚を入れて作ります。青ムロアジやトビウオのクサヤが一般的ですが、私のお薦めは「ダッコ」のクサヤ。「ダッコ」とは10センチくらいのサバやイワシ、ムロアジなどの新島での呼び名ですが、これは初夏に少量しか取れず、その時期新島にいなければなかなか口にすることはできません。
 クサヤに合うのが島酒「島自慢」。樫樽で長期貯蔵したものがお薦めです。
 抗火石は世界でも新島とイタリアのリパリ島でしか採れないめずらしい石で、水に浮くほど軽く、鋸で切れるほど加工しやすいため建材として利用される他、見出しの写真のように「モヤイ像」として島のあちこちに置かれています。
 その抗火石の粉から作られるのが新島ガラス。深いオリーブグリーンが特徴で、主に新島ガラスアートセンターで作られています。

 新島はサーフィンの島としても有名です。まだサーフィンが日本に知られていない昔から、新島には「セツカシ」というサーフィンの原形とも言える遊びがありました。そのせいかサーフィンというスポーツは新島では早くから定着し、今では親子2代でサーフィンを楽しむ姿も珍しくありません。羽伏浦海岸では全日本の大会や世界大会も行われます。

 もうひとつの新島名物、それは冬場に吹く強い季節風「西ン風」です。風速20メートルにもなる台風並みの西風が連日吹き続け、船も飛行機も欠航になってしまいます。風さえ吹かなければ暖かく、雪が降ることもほとんどありません。
 


 

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